歯の痛みの原因、もしかして歯髄の虫歯かも?

突然襲われる耐え難い歯の痛み!突然歯が痛くなると、どうして良いか分からず困ってしまいますよね。今回は、歯が痛い原因・虫歯の進行状況や応急処置について詳しく解説していきたいと思います!

突然襲われる歯の痛みとして最も多いのが、歯随の痛みと歯周組織(歯の周り)の痛みです。

他にも筋肉の痛み、神経血管障害による疼痛、神経原性疼痛、TMDによる疼痛、心因性障害による疼痛などたくさんあります。なかでも今回は、もっとも身近な痛みの原因である歯髄の虫歯についてみていきましょう。

まずは歯の構造を知ろう

まずは歯の痛みについて理解するために、歯の構造を簡単に知っておきましょう。

歯は4つの組織から成り立っている

歯はエナメル質、象牙質、歯髄、セメント質の4つの組織から出来ています。エナメル質は歯の1番表面の部分です。歯の内部の象牙質、歯髄を守る働きがあり、いわば鎧の役割をします。

そしてその内側は象牙質。象牙質はエナメル質に比べ柔らかく、中は象牙細管という管状の構造になっていて外部からの刺激を歯髄(歯の神経)に伝えます。

そしてさらに内側には歯髄。この組織は神経や血管が豊富で歯の痛みを直接感じとっているところです。生きている歯(生活歯)なのか死んでいる歯(失活歯)なのかは、この歯髄が生きているか、死んでいるかによります。

最後にセメント質。この組織は歯の根っこの周りを包むように張り付いていて、歯を歯槽骨(歯が埋まってる土台の骨)にしっかりと固定する役割をします。

以上四つで歯の構造はおしまいです!簡単ですね☺

それでは早速、どのようにして歯が痛くなり、虫歯が進んでいくのか各段階別にみていきましょう!

虫歯と歯の構造の関係

虫歯ができて歯が痛くなるまでの流れ

虫歯菌の作る酸により歯の表面から溶かされ、徐々に虫歯は深くなっていきます。エナメル質→象牙質→歯髄 の順番です。虫歯による痛みは、虫歯が象牙質または歯髄にまで達しないと感じません。

1.エナメル質にできた虫歯

まず最初はエナメル質の虫歯です。エナメル質に虫歯ができている場合、虫歯が象牙質まで進んでないので症状はありません。痛みや歯肉の腫れもありません。この段階で重要なことは、虫歯があるということを歯医者さんに行き知ることです。

虫歯=削る ではありません。 これは間違いです。エナメル質内の虫歯であれば、まずは歯磨きの仕方をしっかり覚え、虫歯が進行しないようにしましょう。

その上で定期的に歯医者さんに行き、その虫歯が進行しているかどうかをチェックします。虫歯の進行が進んでいるのであれば治療が必要ですが、進行が止まっているのであれば、引き続き経過観察を続けます。

虫歯は削れば削るほど再発のリスクは上がっていくので、歯の寿命を縮めることになります。経過を観察し、切削の必要がない場合は歯の寿命を縮めないために様子をみるようにすることが大切です。

2.象牙質にできた虫歯

虫歯が象牙質まで進むと、冷たいものがしみる(冷温痛)、歯磨きや細い棒で歯の表面を触るとしみる(擦過痛)、酸っぱいものや甘いものでしみる(甘味痛)などの症状が出て来る場合もあります。この時点ではまだズキズキとした痛みではないので、放置してしまう人が多いのです。また痛みを全く感じないことも多くあります。

最も一般的な治療法としては、虫歯ができているエナメル質・象牙質の部分を取り除き、その部分に代わりとなる材料(コンポジットレジンなど)を詰める方法です。

ただし、痛みがなくても、感染が歯髄にまで及んでいる場合も十分ありえます。歯髄に感染が及んでいると、神経を抜く必要のある場合もあります。神経の全てを取るのではなく、感染した歯髄のみをとる方法(部分断髄)などもありますので、歯医者さんと相談してみるようにしましょう。

3.歯髄にまでできた虫歯

そして象牙質まで進んだ虫歯をさらに放っておくと、虫歯は次のステージである歯髄へと進行していきます。

歯髄にできた虫歯による痛みは激烈で、ズキズキとした自発痛(何もしなくても痛みがある)となり、温熱刺激、甘味刺激、機械的刺激などで、増悪します。また、このズキズキとした痛みは、何処の歯が痛いのかわかりにくいという特徴があります。

虫歯と歯髄の関係

痛みが消えたのは虫歯が治ったからではない

痛みが一度始まると、数十分以上続くこともあり、数時間から数日間で自然と消えるのが特徴です。なぜ痛みが消えるのかというと、神経が死んでしまい、痛みを感じることができなくなったためです。痛みが治まっただけで、状況が好転したわけではないので注意しましょう。

自発痛は歯髄の状態を判断する上で非常に大切な判断材料になります。歯医者さん行った時は痛みの有無や状態・痛み方を必ず伝えるようにしましょう。ひとつ覚えておいて欲しいのは、子供や若い方の場合、虫歯が歯髄まで達していても痛みがないことがあります。

必ずしも、「虫歯が歯髄まで達している」=「痛みが出る」ではないことを頭の片隅に入れておいてください。

虫歯が痛む場合の応急処置

1.痛み止めを飲む

2011年1月より市販薬としてロキソニンsが買えるようになりました。まずは市販の痛み止めで痛みを抑えておき、できるだけ早く歯医者さんに行くようにしましょう。

2.冷やす

冷やしたタオルなどで患部を冷やしてください。また、冷たい水を口に含むと、一時的ではありますが楽になります。

冷えピタなどはおすすめできません。冷えピタなどの商品は患部自体を冷やすわけではなく、熱を逃がすのを助ける役割をする商品です。この場合は冷水などで冷やした方が確実です。

虫歯が痛む場合やってはいけないこと

  1. 風呂に入って温まる
  2. お酒を飲む
  3. 運動をする
  4. 虫歯の穴をいじくる

①〜③の共通点は、「血行を良くする」ということです。血行が良くなれば歯髄の内の圧力が高まり痛みが悪化します(圧力鍋を温める感じです)ここに書いたこと以外でも、血行が良くなるようなことはしないようにしましょう。

歯髄の虫歯への治療法

歯髄に虫歯が達している場合、細菌の感染が何処まで及んでいるかをしっかり把握し、まずは原因となる細菌を除去します。その上で、歯髄が元の状態にもどるのか戻らないかなどにより、次のステップの治療方針が変わってきます。

基本的に自発痛(ズキズキした痛み)が発生した場合は、ほとんどのケースで神経を取る処置が必要になってくるでしょう。神経を取った後土台を立て、被せ物を作るという流れになります。

まとめ

副院長
森井 浩太

虫歯の痛みは多くの場合、ズキズキした痛みがしばらく続き、しばらくするとぱたっと痛みがなくなります。しかし、これは虫歯が治ったわけではなく、神経が死んだことで痛みを感じなくなったに過ぎません。

この状態で、歯医者さんに行かずに放置する方が多いですが、この後さらに強い痛みに襲われることがしばしばあります。歯髄の感染が顎の骨の中まで及ぶことで、根尖性歯周炎という病気を引き起こすからです。

根尖性歯周炎についてはまたの機会にお話しできればと思っています。定期検診に通い、虫歯を予防する・虫歯ができた場合は、早めに歯医者さんに行って治療をすることが大切であると覚えておきましょう。

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